POTLUCK LAB vol.3 事前連絡

POTLUCK LAB vol.3

運営:有村+ストーンズ太郎

 

お世話になっております有村です気づけば3回目となるPOTLUCK LAB vol.3、ちょいツイッターだけの告知では言葉足らずな感じがあるのでこちらにも・・・

 

【日時/場所】

2019/2/8(土)13:00〜19:00 @CIRCUS OSAKA

〒542-0086 大阪府大阪市中央区西心斎橋1丁目8−16 中西ビル

 

参加登録は以下。当日券はいまのところ出す予定はありません。

https://forms.gle/hNqrrXAmQcWN4N4k9

 

【お金】

D込み¥2500

2500円で入場+ドリンク一杯。高くてごめんなさい!!!

 

13:30〜14:00

有村+ストーンズ太郎

「音源聴き比べ」

おれストーンズ太郎もレコードでのリリースがあったこともあり、いっちょメディアに向き合っておくか的な企画。

1.アナログvsデジタル

2.WAV vs mp3

3.16bit vs 24bit

の三つを軸に格付けチェックやっていく予定。事前資料は以下!どこまで掘り下げるかは時間と相談。

 15分休憩

 

14:15〜15:00 ピアノ男

「ご冗談のような音楽とおふざけテクニック」

伊賀の産んだ天才ピアノ男の講義。リョウコ2000名義でのマルチネからのリリースも記憶に新しいですが、ガチ誠実にガバに向き合い続ける男の生き様を聞きましょう。

 

15分休憩

 

15:15〜16:15 

持ち込み音源視聴会1

持ち込まれた曲は全曲再生が信条の本イベント、今回もがっつり2枠とってみんなの曲を聴きます。ガンガン感想を言い合えるようにしていきたいすね。

 

15分休憩

 

16:30〜17:15 

mochilon(柿本論理)

「コードとメロディの話」

前提知識がなくても音楽作れます、音楽理論を知らずとも音楽制作を楽しめます的な導入のワークショップ多めでここまできましたが、それはあくまで音楽の一側面に過ぎないので、一旦楽理サイドを垣間見ましょうという意図でmochilon(柿本論理)氏を召喚。ポカリスウェットをはじめとするお茶の間CMから各種歌ものまで、 音楽理論的な切り口から話してもらおうと思います。お客さんの前提知識のレンジが広い本イベント、無理難題いうてすいません・・・

 

15分休憩

 

17:30〜18:00 

ミタちゃん

「ハコの人に聞く」

POTLUCK LABでめちゃくちゃ聞かれる質問の一つ

「クラブイベントってどうやったら出れるんですか?」

に答えるのが難しいので、もうクラブの人に聞いてしまおうという趣旨。CIRCUS OSAKA店長を召喚。でかい音はでかい音が出せるところでしか出せません、場があってこその我々なので”場”サイドから考えてみようという次第。

めっちゃ真面目な話に突入しそうな気もしますが、なんでも聞いてみよう

 

18:00〜19:00 

持ち込み音源視聴会2

せっかくなんでクラブ側の人にも曲聴いた感想をきいてみましょうね

 

 

連絡事項

f:id:Arimuri:20200204214937p:plain

会場の全貌は上図、メインのプロジェクタに加え気が狂ってまたこのイベントのためにモニタを購入してしまいましたので二画面での視聴です。音はどこにいても聞こえるかと。

一点だけお詫びなのですが、なんと会場に人数分の椅子がないため、フローリングにブルーシート敷いてお花見形式での視聴となります。長丁場でお尻が痛い恐れがありますので座布団的なものがもしあればご持参いただけますと非常に助かります。こっちサイドでも可能な限り善処します。

 

【二次会(交流会)】

 19:30〜21:30まで、キャパ50程度のイベントスペースを借りております。申し訳ありませんが、カンパ制で1人1000円いただくことにします。

 50人以上くるとこちらもかなりキツキツですが、出入り自由で適当にピザ食ったりする予定です(謎にキッチンもあります )。途中参加途中抜けOKですので、事前参加の有無を気にせず気楽にご参加ください。本編中はみんなで交流する時間が取れないのでここでコミュニケーション取りましょう。友達がいない人は私と喋ることになります。

 

3回目なのに至らないことだらけですが、参加される方は何卒よろしくお願いいたします。

 

参加される方で曲がある方は以下へ登録よろしくお願いします。全部かけますぜ

https://forms.gle/VZJeAJi3UWxJua8z6

 

【参考】

<vol1>

有村ブログ

http://arimuri.hatenablog.com/entry/2019/05/30/220625

 

<vol2>

有村ブログ

http://arimuri.hatenablog.com/entry/2019/08/29/030714

 

<mini1(有村自宅会)>

 

Youtubeアップ分

https://youtu.be/xn-vrmEkknw?list=PLNdj0Iz_UsvMamnLpTD64V2Y9Xd9KUnwD





無題

 今年のメイントピックスを考えると、完全に活動を個人ベースにしたこと、なんだかんだでアルバムを出したこと、Potluck Labをはじめたことの3つであるように思う。

 依頼を受けてするクライアントワークとイベント出演だけで、なんとなく活動した気になってしまうが、その中でもなんとか能動的にアクションを起こせたのは個人的によかったことで、なんとか年を越せそうという心持ち。

 一方で、曲を作らないといけない、というよくわからない強迫観念に苦しめられた一年でもあった。平日仕事終わりに、なにもせずにグータラして寝たのちに、「今日はなにも制作ができなかった」とバッドに入ることが増え、何故してもしなくてもいいことで、こんなにストイックにならなければいけないのかという気持ちになるときもあった。

  とはいっても、JETSETでベストディスクをやり、サンレコでのDAWオペレーションの連載を持ち、bibioの新譜のレビュー書いて、自分の好きな音楽をやり、好き勝手配信やバイナルリリースをして、サブスクリプションでは年間100万回以上も再生され、イベントではいろんな街に呼ばれ…と、昔を思うと随分と出来過ぎな一年であった。

  年末はすっかりなにもする気が起きなくなってしまって、適当に過ごしているうちに気づけば大晦日。今日もDTMをしており、結局好きなことを好きなようにやって、なるようになればよいなと思うだけです。今年関わってくれたみなさん、ありがとうございました。

 

10月某日

 ボロフェスタに出演するために京都へ。昼から行って他の人のライブも見るつもりであったが、制作が立て込んでおり結局夜になってしまった。夏まで付き合っていた人に結婚報告をされるという怪奇なイベントを経て、なんとも言えぬ気持ちで京都メトロへ。

 ライブを初めて見るDos Monos、大先輩OUTATBEROのライブののち自分。普段クラブに来ないような層ががなり多かった今夜、日常比で過剰量のドープ成分を摂取しまくったフロアの面々に、いい感じにシャバくてキャッチーな自分の音楽がフィットしたのか妙にウケる。最近は立て付けが軟派であることや、ある意味でのシャバさに負い目を感じることはほぼなくなったように思う。

 深夜未明、朝から稼働していたであろう若いスタッフたちが地べたで爆睡しており、「この人たちは明日も朝からKBSホールへ向かうのか・・・」と素直に感心する。学生ボランティア中心で運営されるこのイベント、同世代でワイワイ、みたいなイメージを持っていたはずなのに、大学一年生はもはや10コ下、気づけば知らない人ばかりであり、改めて自分が京都の外に出たことを実感する。

 東京に拠点を移したホームカミングスの畳野や福富とも久しぶりに喋る。大学を卒業してすぐ位の頃、福富が「これくらいの感じで音楽続けられればいい」みたいな話をしてたのをなんとなく思い出す。その頃イメージしていた”これくらい”がどれくらいだったのかはもはやわからないが、その頃からすると現状は想像以上のものであるように思う。自分は今でも「これくらいの感じで音楽続けられればいい」と思っているが、”これくらい”に対するイメージが特にあるわけではない。

 

10月某日

 ボロフェスタ2日目。帰るつもりであったが、なぜか京都に宿泊することになり、H&Mで適当に服を買ってKBSホールへ向かう。

 odd eyesカベヤシュウトと「みんな京都からいなくなってしまった」みたいな話をする。再三「京都は通り過ぎる街だから・・・」などとの発言、彼も自分自身も京都にはもうおらず、しかしながら、自分はなんとなくモラトリアムの幻影みたいなものを、そのその通り過ぎた京都にみており、なんとなく自分勝手というか、無責任なことをしているような気にもなる。

  イベントのトリはホームカミングス、「ずっと住んでいた京都、ホテルに泊まるのは不思議な感じがして・・・」みたいなくだりから始まった、やたら感傷的な福富のMC。途中でダニエルジョンストンのカバー。彼らでいうところの、”学生時代、部屋で一人ダニエルジョンストンを聴き心を動かされた”的な記憶は、美化しすぎないように気をつけながらも、忘れないようにしないといけない。

 

11月某日

 ネオガイアファンタジー外伝なるイベントに出演。海外からやってきたVaperror、식료품groceries、death’s dynamic shroud、Equip、R23X。

 前日は東京で盛大にやっていたこともあり、疲弊しきっていた彼ら。楽屋で「なんか食べました?」と聞くと「あんまちゃんと食べてない・・・あとヴィーガンなんだよね」という返事。大阪のこの辺で、どこに行けばヴィーガン食を買えるのか皆目見当もつかない。まともなレコメンドができず情けない気持ちになっているうちに、どこからともなく彼らはおからでできたお好み焼きを買ってきて食べていた。

 そんなこんなで彼らのライブをみる。彼らから感じられるのは、ゲームミュージックシンセサイザーなど好きなものに対しての愛とリスペクト、そしてただ趣味や気があうメンバーが仲良くしているというだけ、といった感じであった。いい意味で「みんな同じだな」と思うのみ。そう言う意味ではこと彼らに関しては色々と腹落ちして満足。

 自分は"vaporwave"という言葉尻のなかから、純にサウンドテクスチャの部分を拝借して自分の曲をエディットしつつ、体調不良で来日が叶わなかったSaint Pepsiの曲とマッシュ。普段やらないことをしたなりに、なかなか気に入ったので、iPhone撮って出しでそのままYoutubeにあげてしまった。実際にプレイして初めて、スクリュー(ピッチダウン)のカタルシスがわかったような。

 

11月某日

 バツ君主催のイベント、リコンシダーに出演。日曜14時からの健康イベント。

 せっかくなので自分の曲少なめでDJ。なにも考えずやると、自分が最も音楽をたくさん聴いていた時期であろう2012年前後の曲ばかりになってしまいやるせない気持ちにもなるがまあよし。若き本格派kaiseiくんに、「おれたちは君らのこともググりまくってずっとみてますからね」といった旨のキモい圧をかけつつ平和にイベント完了。

 (あえていうところの)我々界隈は、レギュラーのパーティが少ないため、バツくんがリコンシダーを続けてくれるのはかなりありがたい。一方で、人様の企画に乗っかってばかりの自分はどうなんだとも考えてしまう。瞬間的な神回もいいが、東京以外の土地でやっていくには、平場のパーティに人を集めないと持続性がない。結局アルバム出したのにリリパをしなかったのもそうであるが、自分の遊び場は全部自分で作るくらいの気合があってもいいのかもしれない。

 

11月某日

 struct主催イベント”ゆ・パ交流戦 2019”。もはや恒例行事となった本イベント、今年もBANG! BANG! バンクシーズ!をはじめとする他ではみられないバイブス。西の瘴気に突然放り込まれたゆいにしお氏曰く「自分以外竿持ってないイベント初めてです・・・」相変わらず最高の雰囲気でイベントが終了。もう何年も服を買いまくっているstruct、今後ともよろしくお願い致します。

 典型的なバンドでもDJでもない中途半端な我々からすると、音響の面さえクリアできれば、ライブハウスでもクラブでもない会場でイベントをやるのは調子が良いように思い始めた今日この頃。来年はリリースからのリリパを目指していることもあり、ベニューのことも考え始めたりしているわけであります。

 

12月某日

 パソコン音楽クラブと福山広島と二日連続でライブ。どの街にいっても友達ができるのは、音楽をやっていてよかったことのうちの一つである。1日は自分の曲中心のほぼライブセットみたいなDJ、二日目は普通にライブ。

 突如購入したGopro MAXを駆使して始めた旅vlogシリーズ、モチベーションは3つ、単純に「僕らのイベントはこんな感じなんでぜひきてくださいね」、というのが1つ、自分のプレイの記録が2つ目、最後は僕の周りの人めっちゃおもろいんすよ、という気持ちが3つ目。素材不足で編集に苦戦するもなんとか要領を掴んだので今後も続けていきたいもんです。

 

12月某日

 代官山Unitでパソコン音楽クラブのリミキシーズのリリパ。

 パソコンの不調により実に不甲斐ない感じでライブ納めをすることになってしまったが、これも実力、来年以降は気をつけていきたい・・・

 パソコン音楽クラブは、文化祭の類が嫌いそうな見た目とは裏腹に、自主企画に非常に精力的で、熱海でのライブやSOUND EXPO、各種リリパ含め、なんとなくありもののフォーマットでやらずに、毎回気合をいれてやっているので素直に尊敬。何もしてこなかった自分の至らなさよ・・・。

 なんでもいいから会心の一撃っぽいなんかが身の回りから出て欲しいよな、と思っていたところにポケモンのエンディングでバッチリかましてくるあたりも、満員のUnitでライブをしつつもまだどこか余力を残していそうあたりも、やはり彼らは末恐ろしく思います。

 

12月某日

 tofubeats企画であるTTHWの収録。ピアノ男とSEKITOVAの二人は、自分が音楽を始める前からすげーなと思ってみていたこともあり、年下にもかかわらず、未だにガチリスペクトの気持ちが抜けきらずにいる。話せば話すほど、皆やっとんな・・・という感情に。ローマは一日にして成らず、音楽狂もいうまでもなくそうである。地力は積み上げの上にあるわけであると同時に、つくづく音楽は続け得であるなと感じてしまった。

 

12月某日

 大学の友人たちと昼から忘年会。化学系の大学院を出て関西で働く面々は、自分も含めドメスティック大企業で働いている人が多く、そういった巨大組織で働く上での若者の悩みというのは、皆同じようなものである。

 「一年は球拾いと外周しとけ」カルチャーを経て三年生になった人間が、「そういうやり方は古いので、みんなで効率的に練習しましょう」と言われた時に、果たして受け入れられるのか?と考えると、受け入れられない人がいるのは至極まともであるように思う。割りを食う食わないではなく、今は前より良くなっているか?のみにフォーカスするのは、頭ではわかっていても、なかなかできることではない。

  夜はストーンズ太郎と2人で忘年会。関西で"レーベル"という形を選択しNC4Kを運営している彼と、一方で完全に個人で活動している自分と、アウトプットは違えど考えていることはこちらもまあ同じようなものである。Potluck Labが2人でいい感じに始められたのも、その辺の意思疎通ができていたからであるように思う。

 

 化学をバックグラウンドに会社で働く自分と、音楽をやっている自分を、どちらも正しく把握しているひとはマジのガチで1人もおらず、どちらを切り取ってきても、もう一方の側の人間にちゃんとわかってもらうのは難しい、というのはここ数年の大きな悩みである。評価されるにしても、トータルの合計点ではなく、片方側でしかみられないつらさはありつつ、どちらもやりたいので一方をやめてしまうこともできずズルズルと今に至る。人間的に深みがでてきたっしょ、的な適当な感じで誤魔化すこともあるが、どちらにも話のわかる友達がいるのはありがたく、それで十分な気もしている。

 

 

 

 

 音楽を作って、いいのができたら友達に聞かせる、気に入った友達がいたら「ええやん」といってくれる、自分が続けてきたことは単純にこれだけであるように思う。思えば遠くへきたもんだ、と思うときもあるが、それだけのことが未だに続けられているのは、なんとなくではなく、皆がめいめい頑張っているからであろう。平和で楽しい暮らしは勝手には降ってこず、努力の元にあるわけであるから、タダ乗りしたぶんくらいは返したいという気持ちで、来年も頑張っていきます。

 改めて、今年はありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

MUDAI

 自分がなんで音楽が好きかと考えると、うまくは言えないが、抽象表現であるからなんだろうなと思う。定量的なパラメータや、ロジカルな文章だけでは表現しきれないようなもやもやしたものは、もやのまま、もやで描くほうが、自然なように思える。

 自分は、音楽を作るようになるまでは、創作活動なんていうのは、選ばれたものの高尚な営みであるように捉えていたが、この"もや"遊びは、思ったよりも、万人に開かれた、カジュアルなものであるようで、それに気付いてからというもの、我を忘れて夢中になり今に至るのである。

 夢中になりすぎるのはいいことばかりではなく、立ち止まり我に帰ると、生活のあまりのバランスの悪さに直面し、頭を抱えてしまうのである。会社に何百人といる同期のことはほとんど知らない。最後に音楽に関係のない用事で遊びに行ったのはいつ?

 漠然と考える、"バランスの取れた暮らし"が、実際どんなものなのか、皆目見当もつかない。

 

9月某日

 神戸でOtohatobaの周年イベント。オカダダ氏、シュガーズキャンペーンのseihoさんタクマさんが一堂に会しているところへ居合わせるのは久しぶりで、漠然と”5年前の関西の感じ”が思い出され、懐かしい気持ちになる。potluck labの話もう含め、近況の話などをぼちぼち。

 久しぶりにあったTOYOMUくんが、自分のライブセットをみた感想として、「有村はダンスミュージックの身体性を放棄しつつあるんやね」みたいなことを言っていた。なるほど確かに、セットのうちでビートがなっていない時間は増える一方である。最近は、ある程度のまとまった時間音楽を連続で聴かされたときに、どんな気持ちになるかばかりを考えている。

 

 Otohatoba周辺で遊んでいる、神戸周辺の若い人たちはみな、音楽にも詳しいし、活動も精力的であってうれしい。インディペンデントでやっていくためには、周りに自分がやっていることがわかるようにしておくことと、それを続けることが大事である。コンテンツの有無を気にしても仕方がなく、人がいればよい。人はどの街にでもいる。

 

9月某日

 NUMBER GIRLのライブを観に大阪へ。チケットが当たると思っていなかったため会場にたどり着いてなおいまいち現実味もなく、その現実味のない彼らの演奏が始まった瞬間の、えも言われぬ雰囲気は実に印象的であった。

 演奏が始まってしまうと、それは記憶の中のNUMBER GIRLそのものであった。走りまくるアヒトイナザワ氏のプレイなど、「そう、まさにこれなんですよ…」みたいな気持ちに。

 しかしながら、自分はもちろんかつてのNUMBER GIRLのライブなど見たことあるはずもなく、その記憶などというのは、あくまで、アーカイブされた録音や映像から、自分が勝手に想像したものでしかないので恐ろしい。

 生でしか体験し得ない情報とはなんなのか、いままで自分が摂取してきた画面越しの情報は、なにが欠損した状態で自分の元に届いていたのか…この「在宅オタの天井はどこなのか?」問題に繋がる部分もあるこの話題について改めて考えさせられる。

 「現場に来ないやつに本当のことはわからない」というのは間違ってはいないとは思うが、家でひたすらしこしこ聴いているだけの人にも、急所の情報が伝わると考えているからこそ、自分は音楽をやっているのではないかとも思う。急所をどこに設定するか、という話なのかも知れない。

 

 岡山に移動せねばならず、アンコールの最中、会場を後にする。なにごとも、一番エモいのは帰り道である。今までとは違う、リワインドできないナンバガ。時間の矢は戻らない、頭に浮かぶは熱力学第二法則であった。

 

 不思議な気持ちを抱え新幹線に飛び乗り岡山へ。リアルで見たことがなかったはずなのにイメージが鮮明なバンド、一方かつて住んでいたこともある岡山であるが、物心がついておらず当時の記憶はない。  

 予定より少し早くエビスヤに到着すると、「ナンバガ最後まで観てくれば良かったのに」と言われてしまった。

あいも変わらず不思議な魅力のあるエビスヤの面々と、グッドバイブスのお客さん達、久しぶりに50分も時間をもらったが、自分の曲は彼らの目には自分はどう写っていたのであろうか。

 ホテルで気絶するように寝て、天候が不穏だったこともあり特に観光もせずにまっすぐ帰宅。帰宅してまた気絶。目が覚めると夕方、新幹線は運休になっていたようであり、間一髪であった。

 

9月某日

 仕事の出張で一週間オーストラリアへ。なんだかんだ毎年海外に行っているが、行くたびに何かしらの形であてられてしまう節があり、つくづく自分は単純であると思う。

 黒人少ないな…と思った晩にはホテルで豪州のアパルトヘイト政策の背景をググり、現地の研究者に大学教育の現状の話を聞いた晩には豪州の教育についてググり…毎夜膝を打つような体験を繰り返す。

 海外で得られる体験は、まさに”生でしか体験し得ない情報”そのものである。検索で出てこないような知見をどんだけ持ってるか、みたいなものが人間としてのおもしろさのバロメーターになりうるよな、と思うと同時に、欲しい情報がすぐに手に入るこの時代への感謝は尽きない。

 帰りの機内で、カシミアキャットの新譜を聴く。木こりのように日々ボーカルを切り続けたおかげか、彼の考えていることが少しわかるようになった気がしてしまった。人を見るときは自分の解像度でしか見ることができない。

 帰ってきた大阪は肌寒く、上着を取り出すためにカバンを開ける。出国時は半袖であった。知らぬ間に夏が終わってしまった。

 

10月某日

 渋谷asiaにてFFFなるイベント。2回目の開催であるが、自分にしては珍しく、他の出演者の方の格やキャリアを一切棚上げして、この「イベントのメインはおれだ」くらいの気持ちでの出演であった。そんな気持ちになれるようになったは成長であるかもしれない。

 楽屋にて、久しぶりのSTUTS氏やその他お馴染みの面々と機材の話をしたりしているうちにあっという間に自分たちの出演時間を迎える。

 自分のライブセットは、いいか悪いかは置いておいて、ようやく的が見えてきたような気がしてきたような・・・言ってしまえば自分の作った曲を順番に並べて再生しているだけであるのだが、そんなことをもう何年もひたすら続けているし、まだまだ工夫の余地があるのだから恐ろしい。「連続して音楽を再生する」行為は、誰でもできる簡単であるにもかかわらず、深遠なものである。自分がいうまでもなく、DJの歴史がそれを証明しているわけであるが。

 

 

10月某日

 あいちトリエンナーレに行こうと思っていたのに、台風19号のせいで行きそびれてしまう。予定の都合上ここしかない、というタイミングであったため非常に残念であった。

 ネットをみていると、”芸術に対しての、公金支出の妥当性”みたいな話題が散見されており、芸術に公金なんてとんでもない、みたいなのはともかく、「その芸術が公益に資するかどうか、しっかりと精査すべき」という意見の人がかなり多数を占めているようであった。その”精査”は一体どうするつもりなのであろうか?それができるのは誰?

  ”風が吹けば桶屋が儲かる”という言葉があるが、これは風が吹く→かくかくしかじか→桶屋が儲かるというフローの、「かくかくしかじか」部分は、予想できるような性質ではないという話だと思っていて、公金というのは、風を吹かせる部分に使ってくれ、というのが自分の考えである。

 基礎研究にしろ、芸術にしろ、「それらの営みは、”桶屋が儲かる”ところまでのストーリーを描けますか?」という質問は実にナンセンスで、まるでその”かくかくしかじか”部分が予想できるような口ぶりでロジックをこねくり回したところで、桶屋が儲かる近辺でうろうろしているだけである。例えば、ノーベル化学賞を受賞したGoodenough氏など、結果的にリチウムイオン電池という応用に着地したわけであるが、もともと固体物理、磁性の理論の人である。超交換相互作用を研究していた人間がのちのリチウムイオン電池の父になることなんて誰が予想できたであろうか?

 桶屋が儲けへの眼差しを軽視してはいけないが、基本的には、「それらの営みは、風が吹くようなものですか?」と問わなければいけないはずである。その態度は、対象に対する、深い専門性と、誠実な態度が必要である。

 

 自分が志向しているのは、桶屋の儲けなのか?風を吹かせることなのか?自分ができることなんていうのは、会社で技術開発を真面目にやり、音楽を作るだけである。少しでも後者に貢献できると良いが。

無題

 本や音楽などを選ぶ際、知人や友人のレコメンドに依存してしまっているな、とふと考える。

 知人の好きなもの、勧めているもの、というのは、その人のバックグラウンドも判断材料に加わるため、こちらとしてもあたりがつけやすく、参考にもなる。一方でどこの誰ともわからないやつのオススメなんてものは基本的に信用できないものである。

 SNSなどは、その仕組み上「フォローしている人が興味のあるようなことしか流れてこない」わけで、それは心地よくもあるが、決められた柵の中をぐるぐる回っているような気分にもなる。それでいいのだろうか?と最近はよく考えてしまう。

 spotifyなどに、ランダムボタンみたいなものがあって、それを押すと、本当にランダムに、何かの曲がかかってほしいとつくづく思う。大体は特になんの引っ掛かりもないであろうが、ごく稀に、本来は自分までの導線が伸びていないような曲にたどり着き、それによって深く感動させられることがあるであろう。

 アルゴリズムでも、知り合いのレコメンドでもなんでもよいが、興味がなさそうなことに、なるべく出会わないようにする仕組みは、そういった機会を遠ざけてしまう。そしてそんな機会は、無駄にまみれた中に埋もれた、効率の対極にしかない。なんとなくそっち側の要素を拾いながら生活をしたいが、思えばそのやり方すらわからない。

 チェーン店で飯を食い、自宅と会社を往復する日々であるが、人生におけるランダムボタンはどこに転がっているのであろうか。

 

 

7月某日

 加賀フェス出演のため加賀へ。珍しくヤックルから「一緒に行きましょうよ」と連絡が来たので快諾したものの、脳の構造に問題があるため約束の電車ギリギリの時間に駅に着き、考える暇もないのでとりあえず一駅分の切符を買ってサンダーバードに飛び乗るクソ行為をしてしまう。

 ヤックルはおれのために鯖寿司と飲み物を買って待っており、このよくできたほぼ10コ下と世間話をしながら加賀温泉駅へ向かう。雑にくくると同じような音楽をしていることになる我々であるが、かたや会社でデスクワークをしており、かたや海外でイベント打ったりアイドルのチェキ撮影まで請け負っているわけで、あまりにも生活が違いすぎて頭がクラクラしてしまう。車掌さんを引き止め、「乗車券も特急券も持ってないんで購入させてください…」などと言わなければならない自分は論外である。

 加賀温泉駅に到着し、演者の送迎バスで待機しているとセキトバがセレッソ大阪の派手なユニフォームを着て登場。関西のバイブス十分な状態で会場へ。

 イベントはアフターまで実にいい雰囲気で、演奏時間のさなか、「こんな遠方で、自分の音楽がこんな風に受け入れられるなんてありがたいことだな」というベタなことを考えてしまった。

 出番が終わった後、時刻はおよそ午前3時、深夜の温泉地をブラブラと歩く。人気のない温泉街、一方で、流行を押さえにいったであろう、ポツポツと怪しく光るナイトプールが散見され、酔いも相まって、その独特な非日常感によって不思議な気待ちになる。

 会場付近唯一のコンビニで、酔い覚ましにレッドブルを飲んでいると、パソコン音楽クラブの柴田くんがフラフラと歩いていたので声をかけて引き止める。

 ちょうど新譜を聴かせてもらったばかりであったので、かねてからしたかった「パソコンの曲は体験が身近で、気持ちが遠くに飛んでいるよね」という話をする。描写している世界の現実度合いと、感情をどこまで遠くに飛ばすかの2軸マトリクスで作家をマッピングすると、パソコンは思いのほか稀有なんですよ、みたいなとこをを話していると、柴田くんから「有村さんの曲ってフリスビーっぽいですよね」と言われてしまった。わかるような、わからないような。次のEPのタイトルにでもしようかな…。

 横を見るとアイドルグループの集団がみんなでアイスを食べていて、「修学旅行っぽくていいな…」と眺めていたが、よくよく考えると、修学旅行で深夜にコンビニアイスをするタイミングなど基本的にはないことに気がついてしまった。

 最終的にこの先こんな部屋に泊まることなんてあるのか、というくらいの身分不相応な部屋で就寝。例えばDiploなどは、いまでも豪華な部屋に泊まってテンションが上がったりするのであろうか。幸せの程度が、その絶対値ではなく、一次微分の正負によって左右されてしまうのだとするならば、それは喜ばしいことなのであろうか。

 

7月某日

 大阪コンパスでVampillia主催のイベントに出演。平日イベントに出るのは久しぶり。そしてその日は誕生日であった。

 「休日仕事でなかなかイベントに行けないんですよ」といった人がちらほら来ていて、そんな視点はズッポリ抜け落ちていたから、なるほど立場の違う人のことを考えるのは難しいなと改めて思う。だからといって平日に稼動できるわけではないが…

 中国から旅行で来たが、 偶然in the blue shirtが見れそうだったので来た、という女性もいて、しばし世間話などをする。どんな場所にも、少ないながらに、ある一定の割合で自分と同じような音楽が好きな奴がいる、というのはほぼ確信していることである。そんな人たちに積極的にリーチする手段はないにしても、通りすがりに興味を引く程度には看板を掲げていたいと改めて思う。

 「中国ではあなたのCDは買えないから」と言われ、そらそうだよなと思う。悪い癖であるが、また無料でグッズなどをあげてしまった。またどこかで会えるとよいが。

 

8月某日

 祖母の法事などで度々千葉県は松戸へ。しかしながら、もはや会う対象となる人が死んでいなくなったわけであるから、もう自分は基本的に、この松戸という街に来る用事はなくなってしまったわけである。

 人一人いるだけでその土地に行く用事ができたり、なくなったりするわけである。転勤族の家庭で育ち、どこの土地にも対して帰属意識のない自分にとっては、土地というよりは、属人的な要素こそが大事であると思わないとやっていけない。「そこに行けばそいつがいる」、みたいな感じで、程度はともかく、気にかけてくれる人がいてくれると嬉しいなとは思います。

 

8月某日

 ミツメの川辺くんに呼ばれ浅草の焼肉屋へ。本来の用事もそこそこに、とりとめもない話をする。

 ふと"「自分の描いたエロい絵でシコる」性"の話になる。やはり自分が音楽でやりたいことを他で例えるなら、「自分の描いたエロい絵でシコる」ような行為なのであろう。アルバムを出して3ヶ月経ったが、自ら作ったそれを自分はまだよく聴いている。

 音楽を通じて普通では知り合わない様々な人と出会ったが、結局仲良くなるのはバックグラウンドが近しい人になりがち、的な旨の話にもなり、飛び出すは「それじゃあ我々が仲良くしてるのも同じ庶民の出だからですか?」といった質問。労働階級の野良犬が音楽シーンでやっていくための心構えとは。浅草成分を摂取するために飲んだ電気ブラン、「おれたちは心のコンプトンから抜け出さないといけねーんだわ」とクダを巻きながら解散。

 

8月某日

 全裸監督を一気見。ふと思い出すはテレクラキャノンボールであった。自分はかつてテレクラキャノンボールを面白がって見ていたわけであるが、今見るとどんな気持ちになるのであろうか。面白がっていたかつての自分を切り出して、「あいつはミソジニーだ」とレッテルを貼られるのは勘弁願いたいが、だからといって、そこから何がどうなったら清い人間の仲間入りできるのかはいまだによくわからない。

 連鎖的に、渋谷慶一郎氏のステッカーで大盛り上がりしていた頃のことも思い出してしまう。自分の部屋のどこかにも氏の顔が印刷されたステッカーが転がっているであろう。それを持ち出されて、お前は権利意識の低い人間だ、と糾弾されたとしたならば、平身低頭して詫びるほか無さそうである。

 「勤勉で、できるかぎり善良で、気遣いのある人たちは踊ってくれ」というcosa氏のリリックがあるが、果たして自分には踊る権利があるのであろうか?

 

8月某日

 作りたいものは頭の中に死ぬほどあり、手を動かして実現する時間が足りないだけ、という意識をもうずっと持っているが、手を動かすことを怠けているうちに、お盆の連休が終わってしまった。

 自らの非ストイックさに情けなくなるばかりであると同時に、「どうせなにも残らんし」とあまり遊びにいったりしないことも問題の一端を担っているのではとも思う。丸一週間以上も休みがあって、迷わずにずっと家にいること自体が、大きな屈折である気がしてならない。何かを残すような遊び方を身につけずにここまで来たのだとすると悲しい話である。

 とはいっても、結局自分のやりたいことは「自分の描いたエロい絵でシコる」的な営みであることだけは、間違いなさそうではある。心乱すもののない、潤沢な自由時間なんてものは一生手に入ることはないため、手持ちの可処分時間で目一杯やるしかない。

 

8月某日

 現在唯一の主催イベントであるpotluck lab第2回を開催。焼畑農業ではない、土壌を耕すような活動、ということでやっている。2回目にして、「もう少しでなにかが起こりそう感」を感じてきて、もうひと頑張りである。

 エゴサーチなどをしていると、もうすでにpotluck labに対してすら内輪感を指摘する言及さえあるが、クラブというのは客と演者の境目が明確なショーではなく、インタラクティブな場であるから、よほど大規模な催しではない限り、名もなきワン・オブ・ゼムの客として存在するのは難しく、本質的に内輪であるというのが自分の考えである。

 特にプレイヤー同士の出会いは起こればいいと思っていて、keita sano氏周辺の岡山の感じや、崎山 蒼志くん周りの静岡シンガーソングライターの感じなど、よき相互作用が起きることを願ってやまない。自分で言うとsoleil soleilに出会って曲を作り始めたみたいなきっかけは、場さえあれば出てくる気がしているので、場を設けることが大切である。

 なんとなくの数勘定として、演者が3人いて、それを好きな客が50人いれば、それはシーンと呼んで差し支え無いと考えているので、そんなシーンが、新しく出てくればいいなという気持ちで続けていけるといいなと思います。

 

 

 

 9時5時の雇われ労働、年明けまで埋まるイベント出演、終わりなき制作依頼の締め切り、望んでやっているにも関わらず、時々なにが面白くてこんな暮らしをしているんだと思ってしまうこともある。

 だからといって、それらを全て無くしたとしても、自分の人生の楽しみなんて、家で音楽を作るか、深夜のファミレスで本を読むかくらいしかなく、それなら、今の暮らしは幸せそのものなのではないかとも思う。やらされているものもは1つもないので、不平を言うのは野暮である。

POTLUCK Lab. vol.2振り返り

POTLUCK Lab. vol.1
【日時/場所】
8/24(土)13:00〜19:00@京都METRO(https://www.metro.ne.jp/)

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【開催会場選び】
 前回、炎の2Days開催の憂き目にあったため、キャパ60人以上で会場を探す。

・一般的なイベントスペースではなく、クラブでやる

・自分たちがよく出演する会場を選ぶ

の2点は太郎となんとなく合意しており、しっかりしたサウンドシステムで自分の曲を聴いてほしいということと、一度行ったことがある会場には遊びに行きやすい、これをきっかけにクラブイベントに遊びにいけるようになってほしいという意図であった。

 1回目開催時に、メトロ勤務のトラックメイカCeeeSTee氏が遊びに来てくれており、条件面から環境づくりまで相談に乗ってくれたうえ、ちょうどいい時期の週末デイタイムをおさえることができたので、第二回は京都メトロで開催する運びに。

 可能であれば今後も場所を変えて実施して行き、”おれらが出るようなクラブにだいたい一回は行ったことがある”状態の人を少しでも増やすことで、ハコ側、我々プレイヤー、お客さん三方よしのイベントになることを目指したい。

 とはいえ、変則的な催しの為、他会場で今回のようなレベルの理解とサポートを毎回期待するわけにも行かない、いろいろ検討中である・・・

 

【環境】

f:id:Arimuri:20190828235716p:plain 会場環境は上記。機材は前回揃えたので、今回は基本的に配線を考えるのみ。配信に関しては、マイクはPA宅から分けてもらい、その他音声は全部DJミキサーに突っ込んでBOOTH OUTで配信するという運用。多面的に相談に乗っていただいたCeeeSTee氏およびメトロにはただただ感謝。

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 80人をいかに不快な思いをさせずにメトロに収容するかも難しく、ステージにブルーシート敷いてお花見席にするなどの苦肉の策。持ち込みは配信機材一式と、入り口付近に設置した小モニタ、配線類、ブルーシート。でかいブルーシートはマジで持ち運びがだるいということを思い知るなど。狙い的には概ねうまく行った。設営、撤収に関しての当日の段取りは考えが甘くファイヤー状態。配信はおれのオンボロThinkpadSSD換装し挑む。速度十分のメトロの有線LANを使用した関係もあり快調でした。

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配信画面


 

【参加登録】

 前回に引き続きGoogleフォームでの参加。定員は80人に設定。

・本編参加可否

・飲み会参加可否

・音源送付

をまとめて実施。Googleフォームでのスクリプト利用の方法がなんとなくわかってきたため、集計したり、定員で受付を締め切ったりなど、簡単なことならできるようになった。

 前回、メールやSNSで持ち込み音源を受け付けたがゆえ、イベント直前に五月雨式に音源がなだれ込みカオス状態になった反省から試験的にGoogleフォームでの音源送付を受付。全部で40曲ちょい来た

 今回の大きな反省点の一つが

・ファイルフォーマットの指定をしなかったこと

・ファイル名の付け方の指定をしなかったこと

である。今回持ち込み音源視聴会はUSBに入れてCDJに読み込む方式で実施したが、かなりの曲数がCDJ2000nxs非対応のフォーマットであった。把握していた分はこちらで前日に変換作業を実施したが、変換漏れもあり、当日に太郎のPCから直接再生する形をとった。

書き出し形式のことを意識することがない人も多かった為、次回からは

・Waveファイル(48kHz / 24bit)

・mp3ファイル(320kbps以下)

で受け付けるようにことにするつもりである。 

 ファイル名に関しても、登録したファイルがただGoogleドライブのフォルダに放り込まれていくだけの仕組みであった為、ファイル名がまちまちで当日に名義と曲名が正しく把握できなかった。送付時の登録名をエクセルシートにでも落として、送付された音声ファイルとの対応をとるまでの余力はなく力尽きてしまった。そこまで気が回らなかったこちらの落ち度である為、次回はお作法の指定をしようと思います。

 

【登壇者】

 クラブ開催なこともあり、クラブ/ベースミュージック最前線の人材としてCarpainter、前回も誘っていたが叶わなかったMeteme氏、生楽器録音、歌モノ制作枠という側面に加えて女性のパイ拡大という役割を勝手に背負わせたゆnovation。人選もブッキングもあっさり決まって平和。全員プレゼン的なことをしてもらうのに不安がなかったため特に内容に関しては丸投げし心配せず。

 前回あまりにもDJツール的な曲を作る人がいなかったうえ、クラブに行ったことがないという人も多数いたので、同世代で、広いジャンルがカバーできる実力派ということCH.0くんにも声かけ。mixの妙を知ろうという意図でDJをやってもらいました。KID FRESINO氏とのパーティ主催、ラッパーのバックDJとしての経験など、お話聞く時間も設けたかったが今回は泣く泣く割愛しDJのみ。

 

 【イベント当日】

<集客>
 来場者数は70人程度。最悪60人くればなんとかなる、という勘定であった為なんとかなったが、やはり直前キャンセルは多く、多めに受付をするべきであったかもしれない。だからと言って人が来すぎてパンパンできつい、というのも厳しく難しい。ワークショップは、本質的に人が少ない方が快適という性質もあるし。

<本編>
 登壇者およびDJは文句なしで頭が上がりません。前提知識がなくても楽しめて、かつ第一線で音楽を作っている人が聞いても興味深い、という絶妙な題材でかなり満足。

 休憩をふんだんに挟んだ、ゆとりをもったタイムテーブルにしたつもりが、当日は結局かつかつであった。結局音楽の話をしていると楽しくなってしまうので長くなりがち。視聴会は「送付曲全部かける」ということだけ決めていたが、計画よりも一曲に当てられる時間が短くなってしまったのは反省。

<飲み会>
 馬鹿正直にGoogleフォーム登録の人数で予約してアホほど赤字。おもろいので続けたいが、正直きついのでうまいやり方を考えないといけない。当日まで人数あやふやでもハコ貸ししてくれる都合の良い飯屋とかあるんだろうか。

<収支>
 試験的にやったpaypay投げ銭では1万程度あつまりました。感謝。トータル収支はやや赤字。ほぼ飲み会が悪いが・・・ 

<イベントレポ>

takawo.hatenablog.com

毎度おなじみのTakawo Shunsuke氏(@takawo)のレポ。

katlog.hatenablog.com

 かっとくん(@Ka_t_)も感想くれてます。ありがたや。

htb712.hatenablog.com

個人的に今後を期待しているHYPER THANKS BOMB氏(@TGInotF)も記事書いてくれてます。

はてなで感想書けやみたいなお作法があるわけではないです。ネットで好きな形で感想もらえれば可能な限り読みます

 

 【所感】

 毎度おなじみ、無事にイベントが終了して良かった。準備している際、懸念点が出るたびに、太郎と「いやでもPotluck Labにくる人はみんないい人だからいけるやろ・・・」などと言い続けていた。実際そうであると思うし、人の善意で雰囲気がよくなるのはいいことであるが、それにかまけてばかりではいられない。

 入場料の設定はずっと悩みの種である。取りすぎるとなんか集金セミナーっぽいし・・・。毎度言っているが教える側と学ぶ側、みたいな構図には意地でもしたくないのである。自分はコミュニティが作りたいだけで、トップダウンでの情報供給、すごい人が技術を教えてくれる、ありがたい話をしてくれる、的な雰囲気にはしたくないのである。

 となると理想は「経費を参加者で総カンパ」では…という考えもよぎるが、そうでもない気もしていて、意思決定と金は基本有村が全部やり、相談役と各種サポートをストーンズ太郎にお願いするという今の体制は結構調子がいいのではと思っている。なるべく意思決定者を減らして、あくまで有村の趣味の催しとしてやる方が、なんかあった時に責任の所在も文句のいう先もわかりやすくてよさそう。

 Metomeさん周辺の人たちと知り合ったころ、自分は彼らのことを雲の上の存在のように捉えていたが、彼らが一貫して平行な目線で話をしてくれたおかげで自分は今に至っていると思っている。過剰に見上げてもいいことはなく、コミュニティを作り気軽に会話をすることと、作る音楽にリスペクトを払うことは共存できる。練度に差はあれど、人によって作る音楽は違う。一様な評価軸があるわけでもないので、交流はお互いにメリットがありがちであり、し得である。

 随分昔、マルチネの社長のtomadさんに「誰とも接点を持たずにやばい音楽を作ってる人って各地にどれくらい存在していると思いますか?」みたいなことを聞いたことがあるが、「いや、ずっとこういうことやってますが全然いないですよ」的な返事をもらったことをよく覚えている。"誰とも接点を持たずにやばい音楽を作ってる人"がいないとは思わないが、創作者同士の交流が何かをドライブする感じというのはやはり存在し、それが重要だというのは自分も感覚的にもっているので、そういう会にしていきたい。

 

 「どうやったらクラブイベントとかにでれますか?」ということもたくさん聞かれたが、あるレベルに到達したらクラブイベントに呼ばれます、みたいな性質のものでもないので、金出してハコ借りてイベントをやってしまえばいいやんとは思います。とはいえ、右も左もわからん人に丸投げするのは酷なので相談とかしてくれれば。

 なんかその手のイベントのオーガナイズしてくれる人がいればな・・・という気持ちも。自分もできる範囲で考えます。

 現場出演は別に必須でもないので、お家でやっていく勢もがんばっていきましょう。

 

アーカイブなど】

 動画のアーカイブは取り扱いを検討中なのでyoutubeではいったん非公開にしています。写っている人も多いし内容もいろいろあるので・・・集合知は残してナンボなのでうまいやり方は考えたいです。

 参加者のかたには動画を共有したい気持ちはありますが、前回不本意な拡散などもあったりしたので今んとこはナシよりで検討中です。とはいえこちらもうまいやり方があれば・・・。

ゆnovationとCarpainterの登壇資料は以下に置いておきます。(こちらも引き上げ可能性あり)

archive - Google ドライブ

 

 

【今後】

次回は一旦未定。

配信機材もあるんで有村自宅でワークショップ+DJ+雑談的な配信でちょこちょこやりつつ英気を養おうという算段です。演題持ち込み歓迎なのでやりたい人は連絡ください。

 今回みたいな規模でやるとアーカイブ公開にいろいろ障壁とかあったりするので、少人数/小規模でやってナレッジベースとして確実にアーカイブを公開して残していくというのもやっていきたい気持ち。

まあどうせ第三回もすぐやりたくなるような気もしていますが。

 

すらりん(@slarinar1)が写真を撮ってくれたので置いときます。ありがとうな

Potluck Lab vol.2

無題

 変分原理への理解を進めることこそが必要とされているのに、「光はまっすぐ進むんです!!!!」のほうがウケがいいので、意図的にレイヤーを下げてそれでわかった気にさせる、みたいなムーブを軽蔑していきたいものだが、怠惰さから低きに流れてしまい、気づけばそうなっている自分に悲しくなることが多い。

 入門者向けの導入や、噛み砕いた解説などはいつだってありがたいが、誰が作ったかもわからない簡易なフローチャートで支持政党を決めるような楽ばかりをしていると、人生の本当にエキサイティングな部分を落としてしまうような気がしてしまう。そんなことを思いながらも、怠けた身体はなかなか動かないものであり、歩いて5分のマクドナルドさえ、UBER EATSで注文してしまう日々である。

 

4月某日

 聴くと直したい箇所が出てくる気がして、完パケ以降ほぼ音源を聴き直すことなくアルバム発売日を迎える。

 どれだけでかい口を叩こうが、逆にへりくだろうが、作った作品は正直であり、聴いてもらったときに感じてもらったことが全てである。「これはアルバムを聴いてくれたどこぞの誰かと、おれとの一対一の対話なのだよ…」みたいな大層なことを考える。なんかアマチュア無線っぽさがある気もする。傍受した人とのコミュニケーション。

 

4月某日

 新幹線に乗り東京へ。秋葉原に着くなり、快活クラブに吸い込まれ、何周読んだかもわからない銀牙伝説WEEDを読む。「この任侠さながらの犬模様、現代人の忘れてしまった気持ちやね…」などと考える。価値観のアップデートは三歩進んで二歩下がるよう、仲間の為に命を捨てることを美徳とする犬畜生と、定時で帰り趣味に打ち込む現代の若者の自分、なにを得てなにを失ったのか。

 かつやに入店し、ロースカツ定食を注文したタイミングで原くんから中華食う?と連絡が来る。おれは仲間の為にロースカツ定食を捨てることすらできない。

 

 リリース後初のイベント出演は秋葉原MOGRAにて。MOGRAに来るたびに、居心地もよく、音も良く、スタッフも親切で感心してしまう。クラブとしては不利と思われる立地、ホスピタリティを持って乗り越えられるのであるから素晴らしい。

 イベント後の早朝にCoCo壱へ。CoCo壱が24時間営業、みたいなところにたまらなく東京を感じる。ホテルのチェックインが夕方である無計画さを、has氏の家にて仮眠を取らせていただくというホスピタリティによって突破。

 翌日、バツくんとともにM3へ。初めて行ったが、こんなにもたくさんの人が音楽制作をしているのか…素晴らしい世の中やな…と感銘を受けてしまった。

 

5月某日

 asia出演まで微妙に間があったこともあり、池尻大橋のホテルに5泊。わざわざ楽器屋で37鍵のmidiキーボードを買い、ほぼ外に出ず音楽を作る。ホテルの清掃の時間のみ申し訳ないので外に出て、タワレコにて自分のCDの展開の様子を眺めたりなど。

 夜になると音楽を聴きながらぷらぷら歩いて友達の出ているイベントへ赴き、酒を飲んではタクシーで帰る。cluster Aのリミックスをしてくれたフランスのfusqにも初めてあったが、話を聞いて見ると見るとおれの比ではないくらいのロングステイであった。

 

 気が狂うくらいホテルでDTMをしていたため、頭がおかしくなってasiaのメインでも異常な落ち着きを発揮することに成功。ホテルで制作された謎のブートトラックが鳴り響く最中、スーさんがお祝いにシャンパンを開けてくれたが、ハイになった代償から異常に喉が渇いていた自分の脳裏に浮かぶは”水分補給”の四文字。運動部のポカリガブ飲みさながらの勢いで飲んでしまい、我に帰った頃に著しい酔いに襲われてしまった。

 

5月某日

 あと15分早く家を出ればいいだけなのに、結局ギリギリになってしまいタクシーで梅田駅へ向かう。蛍池から伊丹までもタクシーを用いるダブルタクシー発動は回避するも、モノレールからは小走りであった。

 飛行機にさえ乗ってしまえば、札幌までの空路はいつだってあっという間である。あっという間であるから遠くに来た気がしないな…などと思っていたのもつかの間、想像以上に気温が低く、そこが遠くであることに気がつくのであった。

 デイ開催、tofubeats氏のツアー北海道編を見届け、夜はvava氏のリリパ。summitの方々と共演するのは初めてであったが、vava氏、in-d氏をはじめとする面々は自分の顔を見るや一人ずつ丁寧に挨拶していただいて、オタクであるから、隠キャやから・・・みたいな予防線を張り挨拶や礼儀などの認識が甘いままである自分が情けなくなる。 

 ラッパーのライブを見るたびに、声というのは気合いというかバイブスが乗りやすいのか、その即時性というか、ライブ性というか、そういうものが羨ましくなったりもする。とはいえ、そんなものを羨む前に、自分には直すべき至らなさが多すぎるのであった。

 みな話すと音楽に対する真摯さみたいなものが伝わって来て、礼節の不足した自分もそこくらいは保っていかないといけないという気持ちに。オタクが好きなものへの愚直なアプローチを忘れてしまったらおしまいである。

 自分のアルバムの曲がEYESCREAMspotifyプレイリストに入っていて、どういう因果なんや・・・と思っていたが、話しているうちにセレクトしてくれたのはその日のバックDJをしていshakke氏であることが判明したり、増田氏がblock.fmのsummitimesで自分のremixをかけてくれたりなど、いろいろと頭が上がらない。人の目をみて音楽をするわけではないが、そういった人が聴いた時に、しょうもないと思われないくらいの強度のあるものを作りたいものである。

 翌日はパーゴルの絶望的なペース配分の食い倒れツアーの後、中川さん、太郎くんも合流して飲む。皆久しぶりな気が全然しないな…と思うが、実際問題そこまでひさしぶりではない。

 

 引き続き北海道、太郎くんの車にピックされ芸術の森へ。”森で合宿”と冠された作曲合宿。道中ハードオフに寄ったところ、でかいスピーカーの品揃えがやたらと豊富で、土地柄を感じてしまうなど。

 SNSでの粗雑な呼びかけから有志が大集合、てっきりみな知り合いなのかと思いきや全然そんなことはなく、初対面だらけで自然豊かなアトリエに集合し、PCを開いて黙々と曲を作る様子は実にシュールであった。一方で、なかなかにエキサイティングな会でもあった。曲を作ってみたいという気持ちで単騎突入して来た高校生などもいたが、興味の赴くまま、ろくに知っている人もいない状態で、森の中の小屋に来れる精神性さえあれば、もうそれだけで人生なんとかなる気がしてしまった。

 名残惜しい気持ちで途中抜けし帰宅。気持ち厚着で大阪へ。自宅に着く頃には少し汗をかいていた。

 

5月某日

 Potluck Lab.なるイベントを主催。詳細はこちらの通り。音楽をする上で特に苦労らしい苦労をした記憶もなく、先人の切り開いた領土にただフリーライドして楽しくやっていただけで、一方的に得しまくっているだけで、なにも還元できていない状態に長らく負い目を感じていたわけであるが、ようやく自分なりの方法で、開拓というか、次に繋がるようなアクションができそうな気持ちになれたのがよかった。

 きっかけ一つ、ほんの些細な出来事で人生がドライブしていくのはよくあることで、そういうきっかけになる可能性があることはやり得である。

 自分は、知っている人の作った作品を通して、そのひとのことが少しわかったような感覚になるのが好きである。そこで技術の高低はさして問題にならない。…といいながらも、ただ友達が増えて楽しい、くらいの話なのかもしれないが。

 次回は8/24です、何卒。

 

6月某日

 命からがら江ノ島へ。最近はもはや音楽の合間に会社に行っている気分である。

 一年前に、なぜか出音が微妙に変になった反省を生かし、入念にリハ。今年は気合いが入ってますからね・・・やりますよおれは・・・という気持ちを胸に抱く。

 リハを終え、開演までの時間に飯屋を探すが、江ノ島っぽいところはどこも混んでおり、目につく限りで江ノ島感のもっとも乏しい韓国料理屋へ。その店が思いの外美味い。期せずしてほぼベストチョイスであった。「世の中見ただけではわからないんですよ・・・」という気持ちで会場へ。

 自分の出番、序盤で手を上に突き上げた際にミラーボールに思いっきりぶつけてしまい、ミラーボールを落としてしまう。普通に粗相であるが、一方で会場的には変にウケて謎の盛り上がり。あとで店の人に謝らないとな・・・などと考えていたが、ふと自分の手からものすごい勢いで血が流れていることに気がつく。「DOMMUNEの時の小室哲哉みたいでワロタ・・・」と初めは気にしていなかったが、あまりにも血が止まらないので、文字通り血の気が引いていく。手から流れ続ける血、流れ続ける音楽…

 休日の江ノ島に開いている病院などなく、15分ほど歩いて最寄りのドラッグストアへ。のどかな店のアルバイト店員に手から血を流しながら「すんません、血を止めれそうなやつ適当にください」などと頼んでしまったことを本当に申し訳なく思う。

 自分が海岸で止血に勤しんでいる間もイベントはいい感じであったようで、最後の踊footで復帰して気持ちよく〆。

 

 翌日は江ノ島をゆっくり観光するつもりであったが、傷口をなんとかせねばならないため帰宅。江ノ島成分を摂取することなく帰宅するのが悔しかったため、深夜に海を眺めに海岸へ。海はいい、見ていると辛いことを忘れるから・・・

 関西に帰り梅田の皮膚科でアホみたいに並んで治療、こんなアホなことで一生消えないデカイ傷が手に残ってしまうのであるから人生はわからない。未だに右手の甲を見るたびにテンションが下がる。

 

6月某日

 祖母の訃報。

 GW時点にひっそり会いに行った時も、そこらへんの若者よりもよく喋るくらいの感じであった。ハードが朽ちるまでソフトがほぼ完璧に健在、という状態は、それはそれでかなりきついものであったのであろう。

 急に「仕事やめるか・・・」みたいな気持ちに襲われたが、それとこれとはあまりにも無関係、ただの論理の飛躍である。

 

6月某日

 TBSラジオ、アフター6ジャンクションに出演。「喋りは無理であるからせめて音楽はしっかりきめよう」と思っていたが、頼みの音楽セクションでずっこけてそれ以降は頭が真っ白、苦い全国電波デビューとなった。

 名実ともに”素人さん”をぶちかました自分、一方でラジオの現場というのは基本リアルタイムであるという性質もあり、常に一定の緊張感が保たれていて、そこでパーソナリティをやったりスタッフをしたりしている人たちは、まぎれもない”プロ”であるとしみじみ感じてしまった。プロの技術は一朝一夕では身につかないし、向き不向きもある。

 千里の道も一歩から、次回実力が問われるような機会がくるその日まで、日々精進である。

 

6月某日

 めまぐるしい生活の裏で、彼女が他の男とセックスしていた事実を知らされる。

おれは離婚でなにを学んだのか・・・今回もなんやかんやでそのうち元気になるのであろうが、こういうことを繰り返していくうちに、なんかの拍子にそのうち本当に落ちこんだまま元に戻らなくなったり、明るい部分を無くして暗ーい人間になってしまったりするのではないかと思ったりもする。とはいえ、なってもいないことを心配しても仕方がないのである。

 気を紛らわすためにコーナンで大量の木材を購入し黙々と家具作りに精を出す。ふと気づいたが、そもそも今住んでいる家の家具は、離婚した時に手にした金で買ったものばかりである。

 完成した大層な家具やらをみて、「これは気軽に引っ越せなくなりましたな・・・」などと考える。こうなったらここでもう少し仕事を続けつつ、もう1枚くらいアルバムが出せればいいなという気持ちになる。

 

 アルバムを出して二ヶ月、作っていた時になにを考えていたかもそれなりに忘れてしまっていて、聴くにはちょうどいい時期だなと思って最近よく通しで聴いている。

 もう少しもの哀しいイメージであったがそんなことはなく、いつも通りの自分であるなと思うだけである。

Potluck Lab. vol1 振り返り

POTLUCK Lab. vol.1
【日時/場所】
5/25(土)18:00〜23:00

5/26(土)12:00〜16:00

@京都cafe la siesta(http://cafelasiesta.com/)

アフター飲み会

5/26(土)17:00〜

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【参考にしたイベント】
・早稲田茶箱でやっている新作発表回(https://bit.ly/2VeJuxH)
至極シンプル、作った新曲を持ち寄って聴く
・INNIT
基本クラブイベントのフォーマットで進行する。bring your musicと題して、音源を持ち込む(CDメディア)と500円割引になる。会場に視聴コーナー(CDJ+ヘッドホン)が置かれ、いつでも持ち込み曲を聴くことができる。イベントの最後に、持ち込み曲を再生していき、運営メンバーがコメントしていく。イケてる曲を持ってきた人は次回以降ブッキングされることもある。

INNITのコンピ。懐かしい!(2014)

 

【構想】
 関西でトラックメーカーが交流できる間口のひらけた場を継続的に設ける。DTMのTips共有や音楽についての雑談などをすることを目的とする。
 基本的に
・ワークショップ
・DJ
・持ち込み音源視聴会
の3つがメイン。特に音源視聴会は一番重視する。

 INNITの運営メンバのような格好良さ、スタイリッシュさを自分は残念ながら持ち合わせておらず、どうやってもダサさが出てしまうので、開き直って間口を広げる方向を目指す。”ダサさ”は裏を返すととっつきやすさでもある(と信じたい)。

【当日までの経緯】
<2018年>
 有村が「DTM会やりたい」と言い出す。言うだけでなにもせず。太郎から「最初はシエスタがいいんちゃう?」と提案を受けるもなおなにもせず。

<2019年3月>
 見かねた太郎が日程を決め会場を確保。自分がもともと考えていた “Potluck”と、太郎の「ラボラトリー感出したい」というアイディアを安直に結びつけイベント名を Potluck Lab.に決定。「研究してないときの研究室での雑談」の感じがいいよね、という雰囲気を共有。

<4月>
 最初はチャージを取らずにやりたかったため、善意のみでやってくれると言ってくれた関西の友人を中心にブッキング。あっさりメンバーが決まる。内容はめいめいに自由に決めてもらった。

<5月>
 GW開けに、有村がフライヤーを作り告知。思いの外反響があり、会場のキャパシティが心配になりだす。

  DMなどでの問い合わせも多く、Googleフォームで参加登録を呼びかける。参加人数が80人を越え、イベント破綻の可能性が浮上したため開催一週間前に太郎とシエスタで緊急会議。マスター航太さんから「翌日昼なら店を開けられる」と言っていただき、勢いで2days開催を決める。

 お客さんの交流も目的であったが、パンパンの会場でそれは難しいと判断したため、交流の場として立食形式のアフターパーティも開催することに。シエスタ近所の飲食店に3時間の貸切依頼を完了

【準備】

 Googleフォームでの参加人数が80人を超えてしまったことと、関西圏以外からの参加者が2割程度いたため、せめてもの策として配信環境を整えることにした(もともとはiPhone直撮りで適当にするつもりであった)。

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配信の構成

 まともに配信することを決めたのが開催一週間前であったため、迷っている暇はなく機材は良さそうなやつを適当に買った。

YAMAHA ウェブキャスティングミキサー 6チャンネル AG06
 

 マイク2系統+ラインで複数系統入力できて、2mixを何も考えずに配信に載せられる 

macとwinで使えて、入力をパススルー出力できるやつを選んだ

ヨドバシで適当に買った 

 パススルーした出力を会場でモニタとプロジェクタに分配

反省は死ぬほどあるが、話者のカメラ映像+DTM作業画面と必要な音声をネットに載せるという最低限の目的は達成できた。謎に機材を揃えてしまったため、元を取るために続けないといけない気持ちに。

 【イベント当日】

<集客>
 2日合わせた来場者数は推定80人程度。カンパ額の平均は¥500/人程度。アフター飲み会の参加者は40人ほど。

<イベントレポ>

takawo.hatenablog.com

Takawo Shunsuke氏(@takawo)のレポが詳しいのでそちらで是非。ありがとうございます。

 

 【所感】

 まず何より無事にイベントが終了して良かった。マゴチの言う所の「モノ売るってレベルじゃねーぞ」状態になるリスクは十二分にあったため、そこは一安心であった。

 喋る内容に関してだが、”ググって出てこないこと”であることを重視した。ソフトの使い方や、基本的な制作のtipsなどは、正直SLEEP FREAKSなどの親切でわかりやすいサイトや外国人有志たちのtips動画(いわゆるHey guys!動画)など、先人の素晴らしいコンテンツをたくさん見る方が良い。

 めいめいのスタイルに至った経緯や考え方、精神性など、一見役に立たないバイブスの方が重要で、イベントではそちらよりで話していかないといけないという考えは、今回の出演者の共通認識であった。

 「サンクラにあげても再生数があんまり伸びないんです・・・」的な質問もかなりあり、レーベル運営や音楽の小売の仕組み、CD販売や配信などの手続きや戦略など、立ち回りに関して聞きたい人もいたであろうが、自分の独断で、今回はそういった話題は本編ではしないようにした。”音楽作るのおもろいよね”というところが一番大事だと思っているので、そちらを優先した。初回からそういった話題ばかりでビジネス的な印象を持たれるのも嫌であるし・・・

 一方で、太郎が曲を完成させる(したということにしてしまう)ことを「打席に立つ」と表現しており、イベント内でもしばしば「打席に立ちまくろう」みたいな話題になったが、音楽作りはじめの人あるあるの「曲をなかなか完成させられない」現象を乗り越えるためにも、「曲を完成させない限り打席には立てない」という気持ちは重要であるように感じる。曲をあげるのはインターネットでも良いし、友達に聴いてもらうだけでもよい。

 講師が生徒に教える、といった構図にならないようにも気をつけたい。音楽は良し悪しが定量化できないものなので、レベルが高い人とレベルが低い人がいて、上から下に指導する、というようなやりかたはしないようにしたい。「よくできた量産品より唯一無二のクソ」理論に基づいて、”唯一無二のクソ”の集まりを目指したい。

 今回もっとも重視した”Take potluck”という音源持ち寄り視聴会、やっぱり一番楽しかったので、それが一番の収穫であった。曲を送ってくるときに「マスタリングしていなくて申し訳ありませんが・・・」みたいな枕をつけてきた方が思ったより多かったが、今回でそんなことは些細なことで、たいして重要ではないということが伝わればよい。曲を聴いてもらうこと、聴いてもらって感想を言い合うことは楽しい。作り手の顔が見えるのもよい。知り合いゼロの状態で頑張って参加した人が、気の合いそうな人を一人でもみつけて帰ってくれれば(たとえその場で友達になれなくても)いいなと思う。

 全く未知数であったアフター飲み会も、どう進行すればいいか不明で心配していたがそれは全くの杞憂で、初対面の人たちが勝手に音楽の話を始めていて良かった。ここから一緒に曲を作ったり、イベントを始めたりなども勝手に起こってくれるような気がしている。現時点でも、参加者間でライブを見に言ったり、サンクラをフォローしあったり、曲の感想を言い合ったりしている様子がちらちらとインターネットで観測されて非常にありがたい・・・

<悩み>

  • 会場がむずい
  • 初回が故、どのくらいのレベルの話を期待されているかわからず、ワークショップの話し方がなるべく専門的にならないようにした。とはいえ入門的にしすぎるとある程度わかる方は退屈してしまう。気にせず喋って、わからないなりに雰囲気を味わってもらうという開き直りも必要かもしれない
  • 今回は持ち込み音源を(おそらく)すべてかけることができたが、今後数が増えるとそれは難しそう
  • DJのおもろさが30分枠だけだと伝わりづらい。「クラブにいけばわかるから勝手にクラブ言っておいで」というスタンスはある種の正解であるきもするが、持ち込み曲にDJツール的な側面の曲がほぼなかったのは寂しかったのでうまいことやりたい(特に自分はDJではないので)
  • 想像以上に女性の方が来てくれてありがたかった。とはいえ自分の周りは男比率が高めなので、男女比率が半々とは言わないまでも気にならないくらいにしていきたい

 

<悪かったところ>

  • ワークショップの間に休憩が必要。ぶっ通しは客も話者もきつい。ドリンクを注文しやすいタイミングもあまりなかったため、今後は長めのインターバルを挟みたい
  • マイク不足、もっと準備するべきであった
  • 1日目後半の配信音声がブツブツいってた、シエスタのインターネット回線をお借りしての配信であったが、お客さんもみんな利用可のものであったため、人が増えて同時接続数が増えたためと思われる。次回以降、クラブなどの会場でどうやって配信回線を確保するかは検討中。
  • 2日目頭に配信用windows10の更新が始まり2時間終わらず。パソコン一年生レベルのミスで2日目の前半配信できず。
  • 配信音声のマイクとラインの音声バランスに不満を示すコメント(声が小さいなど)有り。配信音声をつきっきりで面倒見る人がいなかったためやむを得ないが次回以降はちゃんとしたい

来てくれた人や配信見てくれた人は改めてありがとうございました。次回は8月予定です! おれもいっぱい曲作ります。

(参加者にはアーカイブ送りますがちょっとまってね)

 

有村スライド