POTLUCK Lab. vol.3振り返り

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【そもそもなんのイベント?】

 DTMワークショップイベント。有村の知人・友人が音楽について講釈を垂れる。お客さんは自作の楽曲を事前送付でき、イベント中にみんなで聴くという愉快な一面を持つ。ストーンズ太郎と有村が主催。

【フライヤー】

 10点満点中2点。時間をかけても仕方がないが、ダサすぎるとマイナスなので頑張りたい。初回に比べるとだいぶマシではあるが。強制的にイラレを使う機会を捻出できるのはよいです。

 

【開催会場選び】

 そもそもイベントの目的が”自分らが楽しく音楽を続けるための土壌づくり”であり、その土壌のうちの一つが、”イベントにお客さんが来る”ことである。人間の性質上、行ったことがない場所に行くのはエネルギーが必要であるから、イベントに便乗して、みなさんの”行ったことがあるクラブ”を強制的に増やし、自分らの活動をしやすくしようという魂胆。前回の京都メトロは会場として文句なしであったわけであるが、上述の理由で会場は変えていきたいという思い。

 しかしながら

・キャパ60人以上

・自分や友達がよく出演する

・箱の人と面識があり、便宜を図ってもらえる

という条件でandをとると該当する会場はほぼなく、CIRCUS OSAKAくらいしか思いつかずに店長ミタちゃんに相談させていただきました。クラブイベントとしてはド特殊な本イベント、ご快諾いただき改めてありがとうございます。

 

【環境】

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 基本的に前回京都メトロでのノウハウを踏襲。決定的な違いとしてCIRCUS OSAKAには”椅子がそんなにたくさんない”という問題が(椅子が100脚弱ある小箱は基本的にない)。

 ”ブルーシート敷いて地べたに座らせる”という、ともすれば「物売るってレベルじゃねーぞ」状態になりうる采配をお客さんがどう感じたのかは謎。「もう二度と嫌です」という方がもしいたらご連絡ください。またやってしまう恐れがあります。

 結局会場が変わるとあるレベルは出たとこ勝負、至らない我々ではありましたが、CIRCUS OSAKAのサポートでなんとかオープン(5分押し)できました。毎度ギリギリ。改めて 会場側のサポートに感謝。

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【参加登録】

 前回に引き続きGoogleフォームでの参加。CIRCUS OSAKAが「座り形式のイベントを実施した前例があまりない」とのことであったため、様子を見ながら恐る恐る定員を増やしていきました。結局前回と同じ80人程度。

 送付曲のファイル形式とファイル名の指定もしたため、前回に比べ作業時間は確実に減りました。とはいえ当日に漏れがあったりと課題はちらほら。

 

 

【登壇者】

 これまで「音楽理論や細かい理屈がわからなくても、バイブスがあれば楽しく音楽作れますぜ!」的な切り口での演題が多く、そして基本的に自分もそういうスタンスではあります。が、逆に体系的に先人が構築した理論をないがしろにするのは本意ではなく、誠実でもないので、楽理サイドに明るい人間を召喚したいという気持ちもありmochilon(柿本論理)にお声がけ。

 楽理側からの話を聞くならそこから遠い側の人間も呼ぶと対比が際立っていいなという考えから、西の天才ピアノ男をブッキング。絶大な信頼があったので心配はなかったとはいえいえ、当日までマジでなんの話をするのか不明であった。

 我々の目指す”イベントにお客さんが来る”状態に持って行くうえで、プレイヤー、お客さん、会場のwin-win-winのトライアングルを作りたく、もう残すところ会場側の人間を呼ぶのは必然でありミタちゃんにお話をしてもらうよう依頼。今回の登壇者で唯一女性。

 初回、男子校ノリでバイブス開催した結果、女性のお客さんが想像以上にきてくれたため、なんとかせんといかんなという意識のもと、女性登壇者を可能な限り呼ぼう、という合意を太郎としたものの、いざやってみるとマジで人がいないという情けない事実に向き合うことになりました。

 いままで女性が少なかった、ということは、裏を返せば女性がたくさんいるコミュニティにすればそれだけで今までにない要素が獲得できるわけで、創作上もメリットしかないので頑張りたいです。

 

 【イベント当日】

<集客>
 来場者数は70数人程度。赤字前提の運営を続けるつもりでいたところ、太郎から「トントンにはしたほうがいい」とブレーキを踏んでもらったこともあり、熟考のすえ入場料を値上げ(D込み¥2500)しました。

 教える側と学ぶ側、みたいな構図には絶対に避けたいというのが自分の考えであるが、金を支払えば支払うほどその関係性が強化されてしまう気がしており、値段は安ければ安いほどよいというスタンス。収支はプラマイゼロのキワを攻めたいところ。

 このイベントでの自分の立ち位置を表現するよい言葉を考えていたが、「飲み会の幹事」が一番近いという結論に。

 

<本編>

有村+ストーンズ太郎

「音源聴き比べ」

・太郎もおれもレコードでのリリースがあった

・前回事前送付の音声ファイル形式がかなりめちゃくちゃであった

というのが元々のモチベーション。当日寝坊しないためにおれんちに泊まっていた太郎と二人で事前にブラインドチェックをしたところ、「これは外すかもしれん・・・」という懸念を胸に実施。

・そもそもレコードに馴染みがない人にレコードを聴いてもらう

・音声ファイル形式の基本(mp3/wav)を知ってもらう

・違いを耳で体感してみる

の3つが伝わればOKという感じ。「このシンセはEDM向きです」とか「このコンプは音が太いです」とかよくわからん事前情報が与えられがちなDTM界隈、”ABチェックを自分の耳でやってみる”大切さみたいなのを忘れずにいたいですね。


 

ピアノ男

「ご冗談のような音楽とおふざけテクニック」

 資料の公開をご快諾いただいたので資料を置いておきます(そのうち消えるかも)。

 自身の好きな辺境の音楽たちを体系化して整理し概説した上で、ウェルメイドな音楽だけではなく、辺境の創作物にも目を向ける重要性と音楽を作る上での多様性の大切さに着地する見事な内容。

 天才であることを承知でのオファーであったにも関わらず、正直予想の5倍くらいすごくて打ちのめされてしまいました。好きなものへの真摯さ、ハードディガー精神もそうですが、未開の領域のことを"自分の頭で考える"姿勢はマジで見習いたいです。簡単にできることではないですが。

 

mochilon(柿本論理)

「コードとメロディの話」

 体系化されていない領域に果敢にアタックするピアノに対して、音楽体系のど中心にも目を向けようということで楽理の話を依頼。

 全くの無学から音大での学習経験がある方まで、お客さんの前提知識にあまりにも差があるため、非常にレベル設定が難しく、かなり無理難題を頼んでしまい申し訳ない・・・まったくついてこれなかった方は申し訳ないです。おれの責任!

 本人にもギリギリまでレベル設定を悩ませてしまいましたが、バークリーメソッドのさわりを駆け足で説明するような内容でお話いただきました。氏の真面目さが滲み出る資料、改めて感謝・・・

 コードとメロディに理屈をつけるの面白そうだな〜と思った人も、難しいんやな〜と思った人も、こんなん知っとるわ!という人もいたと思います。多様性・・・

 

ミタちゃん

「ハコの人に聞く」

 無責任にミタちゃんを巻き込み、着地点を設定せずにトークを始めてしまいましたが、プレイヤー、お客さん、会場のwin-win-winトライアングルへの第一歩が踏めたのはよかったな〜という気持ち。

 対話の場が開かれるのが重要、違った立場の人の話を聞くのは楽しいスね・・・。

 曲も、イベントも、会場も、勝手に降ってくるものなど一つもなく、全て人がやっているものなのだなあみないなことを考えながらしゃべってました。

 

Take Potluck「来場者持ち込み音源試聴会」

 だいたい50曲くらいを二部に分けて聴いていきました。

 「よくできた量産品よりも唯一無二のクソ(by パ音 西山)」のスローガンにのっとると、"曲の選定"というのはナンセンスかつ性格的に向いていないので、”持ち込み曲は全部かける”方針はキープで。最終的には時間との戦い、一曲2分でも100分必要であるが、それだけかかってもやる価値がある気がします。

 このコンセプトをキープする、ということはすなわちこれ以上規模を大きくしない(ならない)ことを意味しますが、規模がでかくなりすぎないのもそれはそれで良さであると考えています。

 

 ミタちゃんがある曲をきいて「別れの曲っぽい!」みたいなことを言っていて、そうそう、おれがしたいのはそういう話なんですよ・・・と思ってしまいました。

 リズムパターンがこう、コード進行がこう、低音がどうこう、音色がどうこう・・・というテクニカル面が聴いてわかるようになると面白いよね、というのもありますが、音楽を通してえも言えぬ情報を伝えたり汲み取ったりするのが自分おやりたいことの一つでもあります。

 ”答え合わせ”とまでいうと野暮な感じもしますが、自分の感じた抽象的な感想(「すごいさみしい感じがする」「なんかヌメッとしてる」などなど)を作った本人に投げかけてみて、当の本人は何を考えていたのかを確かめてみる、ということができる、というのはこの会の最大の魅力であると考えています。

 今は有村太郎が感想を言いながらかけていくスタイルですが、可能であるなら一曲ずつ作った人に出てきてもらっていろいろ話してもらいたいんだよな〜という気持ちも。ガチ合評回も要検討かな・・・。

 

 【イベント後交流会】
 馬鹿正直にGoogleフォーム登録の人数で予約して当日に10人ほど人数が足らずアホほど赤字を出した前回の反省を踏まえ、一般的な飯屋の予約を諦め会場付近のイベントスペースを3時間確保。キャパも程よく、人数の増減にも対応できるので、次回からはこれでいこうと思います。

 毎度感動するほど有意義な時間になるので、本編を短くして交流会の時間を伸ばすべきなのか?と悩んだりしますが本編あっての打ち上げだよなあとも思います。文化祭せずしてファミレス行ってもなあ的な。

 友達いない状態で参加してくれた人を上手いこと輪に合流させる手口は模索中です。

 

 【全体所感】

 3回もやっているのに毎回ギリギリ運営ですが、「おれが意思決定を独断でして、太郎が見守りつつ随時バランスとる」という運営はだいぶ調子がよくなってきました。さらにいうと、有名なアーティストがやるとどうしても「教える側と学ぶ側」の構図になってしまうので、自分の規模感はじつにこのイベント向きであるなとつくづく思います。

 ローカルかつインディペンデントで音楽をやっていく、となった時に、広告代理店の方法論のようなものをを低クオリティかつ小規模に焼き直しをしたところで仕方がなく、狭小コミュニティであるがゆえの独自のよさみたいなのがでたらなあとはいつも考えています。

 in the blue shirtをハードコア無所属個人運営へと向かわせている自分、一方であえてレーベル(NC4K)という形をとったストーンズ太郎。形は違えどローカル&サスティナブル志向という意味で志を同じくしている同士である我々。長い目で見た時に自分らが楽しくなるように、という視座での活動の一環がこれ。善意で開催しているわけではなく、全てはおれの私腹を肥やすため・・・

 

 何回もやっていると、毎回来ている人など、だいぶ仲良くなってきたような感じがしていてそれも嬉しいです。一方で、新しい人が来づらくなっても本末転倒なので、変なお作法や暗黙のルールが発生しないようには気をつけたいです。

 参加者がコンピを作っていて間も無くリリース、という楽しげな話も聞いております。私は関わってはいませんが、意地悪しているわけではなく、めいめいの活動には原則口を出さないという勝手なとりきめなのでご容赦ください。おれがクオリティコントロールとかしだすと趣旨に反するので・・・。来てくれた人のリリースは視界に入ったものは引き続き全部聴きます!

 ”音楽は続けたもん勝ち”というのはおれと太郎の共通認識、3回とも来ている人はもう1年弱曲作ってるわけですから、もう安泰みたいな感じもしています。ダサいとかダサくないとかは一切棚上げして、どんな形であれパソコンで曲作る人が増えた方が楽しいよな〜というのが自分の考え、このイベントがみなさんのモチベーションの支えになったら幸いです。引き続きよろしくお願いします。

 

 【写真など】

整理中です、なんかいい写真あったらください

 

 【みなさんの感想】

みなさんの感想・レポートはは宝

 

毎度おなじみtakawo氏

http://takawo.hatenablog.com/entry/2020/02/08/190537

ほーりーA氏

https://ayataction.hatenablog.com/entry/2020/02/10/071650

HYPER THANKS BOMB氏

https://htb712.hatenablog.com/entry/2020/02/09/221757

ほしあさひ氏

https://note.com/hoshiasahi07/n/n5df014e0bf1d

 

 【次回予定】

知らねーーーっ!!!!夏か秋!!!!!